好きなカフェがある。
いくつかあるお気に入りの店の中でも
とびっきり大切にしたいカフェ。
以前、友人を連れて行ったときに
「この店はここからの景色が
一番素敵なんだよ」と席へ案内したら
美意識へのこだわりに驚かれたこともある。
空間の美への執着が
僕は人一倍強いのかもしれない。
いろんなカフェへよく行くけれど
そこは、ただ居心地が良いだけではなくて
しゃんと背筋が伸びる気がする特別な場所だ。
小さな、でも、とても
こだわりの詰まったその店は
魅力たっぷりのご夫婦が営んでいる。
時折、その奥様と会話を交わす。
そうしたら、ふとこんな話をしてくれた。
ご主人と出逢った当時のこと。
奥様には恋人がいたらしい。
ご主人は奥様に
「君と付き合える男性って
とても幸せな人生なんだろうね」
と言ったそうだ。
「その一言が忘れられなくて
私はこの人と付き合うことをきめたんですよ」
いつかもし、好きな人に恋人がいたら
そんな風に伝えてみるのもいいな。
カフェから見える路地に目をやりながら
ぼーっとそんなことを考えていた。
おいしいコーヒーやお茶を入れ
人々が安らげる空間を作る
カフェのオーナーとは
美しい感性の持ち主が多いのかもしれない。
また別のカフェの女性オーナーは
「選択肢に迫られたら
いつも美しい方を選ぶ」ということを
話してくれた。
そんな選択基準にしてしまうと
時には苦しい道を選ばなくてはいけない場合にも
当然ながら出くわしてしまう。
その女性オーナーはさらに続けて言った。
「小さな苦労を積み重ねてね」と。
あなたはこれからの未来
どんな自分でありたいだろう?
そんな物思いにふけるために
五感を豊かにするために
時には肩の力を抜いて
おいしいコーヒーを一杯いかが?
(語り)整顔クリエイターSHINGO
(文)NAOMI
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
編集後紀
どんよりと暗い、雨がしとしと降る日。
その日は慎吾先生と
ミーティングの約束がありました。
指定のカフェに入り、通された席へ座り
ぼーっと外を眺め、慎吾先生を待ちます。
窓ガラスに当たった雨は水滴となり流れ
また他の水滴とくっつき
新しい模様をつぎつぎに成していく。
その様子がとても美しく
ついつい時間を忘れてしまう。
ふと、その瞬間。
なぜ慎吾先生がそのカフェを
選んだかが分かりました。
後からやってきた慎吾先生は言います。
「僕はね、雨の日は大きなウィンドウのある
お店に入るのが好きなんだ」
やっぱり!
私は思わず嬉しくなって
「先生、私なぜだか分かります」と
応えるのでした。
コメント