今日はとある女性の話をしよう。
大切で、大好きな人だった。
季節がちょうど一巡する間、付き合っていた人。
「ねえ、結婚とか考えている?」
ある日、唐突に彼女はそう尋ねたのだった。
できることならば一生を共にしたいほど
その女性を愛していた。
ようやく仕事が軌道に乗り始めていた頃。
家庭を持つことに優先順位をおく自信はなかった。
「今はまだ、そんな余裕がないんだ」
正直に僕は返答した。
その後の彼女の言葉がずっと耳に残っている。
「もう!『いついつまでに迎えに行く』って
なんで言えないの?」
結局、彼女とは別れてしまった。
その人はリップスクラブを愛用していた。
冬の玄関先、キスで迎えてくれた彼女は
乾燥している僕の唇に気付き
リップスクラブを塗ってくれたことがあったっけ。
リップクリームのように塗り物でごまかさず
もとの質を変えていこうとする
彼女の姿勢が、僕は好きだった。
「でもね、この香りがどうも苦手なの」
良い香りのリップスクラブを作ろうと
僕は一時期、必死になっていた。
彼女を喜ばせるために。
今では唇の乾燥について尋ねられた際には
ボディスクラブとはいえ
触感が柔らかく、からだ以外にも使える。
そしてなんと食べられる素材。
まるで僕が求めていたものだ。
もちろん良い香りの。
指に取り、優しく唇になぞらせるのは
至福のひとときになる。
あの人に、もし知らせたら
今でも喜んでくれるだろうか。
それとも、もう知っているだろうか。
夜な夜な鏡に向かい
リップスクラブをなじませながら
迎えに行けなかった彼女に思いを馳せる。
そして凛とした美しさを思い出す。
表面上でごまかすのではなく
本質から変えていこうね。
心も、体も。
長年探し続け、やっと出会えた
柔らかな唇のケアにとっても好きです。
『 今日の一枚 』
ふわっと、そっと、やわらかく
彼女の手つきから溢れる慈愛の精神
今日からスタート個別プロデュース
美しいですよ、とっても、とってもね。
(語り)整顔クリエイターSHINGO
(文)NAOMI
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